エマニュエル・ルベツキに学ぶ広角レンズの使い方【シネマティックな映像表現】
- studiotreeinfo
- 1月24日
- 読了時間: 4分
StudioTreeの藤木です。
映像において、カメラのレンズはただの道具でなく物語を語るための重要な表現手段です。
撮影監督エマニュエル・ルベツキは、
広角レンズを巧みに使いこなし、
映像表現の可能性を大きく広げたことで知られています。
『ゼロ・グラビティ』(2013)
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)
『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015)にて、
史上初の三年連続アカデミー撮影賞の快挙を成し遂げている、超超超有名撮影監督です。
ルベツキの作品における広角レンズの使い方とその効果を紐解きながら、
広角レンズをどのように活用すれば魅力的な映像を生み出せるのかを探っていきます。
広角レンズの特徴と魅力
広角レンズとは、視野角が広いレンズで、
フレームに広範囲の情報を収めることができます。

・広がりのある視覚表現:空間の奥行きや広がりを強調。
・被写界深度が深い:前景と背景を同時にシャープに映し出す。
・被写体と背景の一体感:被写体と周囲の環境を強調し、観客に没入感を与える。
これらの特徴を理解し、創造的に活用することが、ルベツキの映像表現を支えています。
ルベツキの広角レンズ術:代表作から学ぶ
1. 『ツリー・オブ・ライフ』(2011年)
テレンス・マリック監督とのコラボ作品『ツリー・オブ・ライフ』では、
広角レンズを駆使して詩的な映像美が作り上げられています。
ルベツキは通常ドリーや三脚を使うところを三脚や手持ちで撮影しています。
そして自然光で常に逆光です。
最初の20日間は自然光のみで撮影を続け、途中でライトを導入したけど、
ルックに納得がいかず、ライトはすぐに全て返却したそうです。
広角レンズが持つ「奥行き感」を活かし、
演者になるべく近づいて、登場人物とその周囲の環境が一体となった構図で映像の中に入り込むような感覚を覚えます。
それでいて自然な感じを出すことができています。
2. 『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015年)
自然光のみで撮影されたこの映画では、広角レンズが厳しい自然の美しさと過酷さを見事に捉えています。
「超広角レンズを使うことで観客に与える臨場感を極限まで追求した」と発言しています
ルベツキっぽく撮る広角レンズ活用のポイント
・被写体に近づく
広角レンズを使うときは、被写体に近づき、その空間的な広がりや親密さを引き出そう。
・自然光を活かす
ルベツキは人工的なライティングを極力避け、自然光を巧みに取り入れています。
これにより、映像にリアリティと温かみが生まれます。
・動きを取り入れる
広角レンズはカメラの動きとの相性が良く、スムーズなパンやティルトでダイナミックな映像を作ることができます。
・構図で空間を語る
前景、中景、背景をフレーム内に配置し、空間全体を活かした構図を意識することで、観客に「その場にいる感覚」を提供できます。
エマニュエル・ルベツキが教えてくれるのは、
広角レンズは単なる画角の選択肢ではなく、
映像で物語を紡ぐための重要な手法だということです。
ただ、レンズに関する話題は彼の魅力のほんの一部に過ぎません。
彼の真骨頂は、映像を通して物語や感情を繊細に描き出す、
その独自のアプローチにあります。
彼の作品を観る際には、
広角レンズを通してどのように物語が描かれているのか、ぜひ注目してみてください。
その技術を学び、自分の作品に活かすことで、
映像にさらなる奥行きや臨場感を加えられるはずです。
スマホにも広角モードが搭載されている今、
彼の作品をお手本に、その表現を手軽に練習することが可能です
ぜひ試しながら、撮影の腕をどんどん磨いてみましょう。
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